毎年、11月~12月ごろになると『年末調整』の時期がやってきます。
私のように会社で給与担当している人は一年でもっとも忙しく頭がクラクラする時期なのですが、2016年からはマイナンバーという厄介なものが増えさらに、目まいが…(笑)
年末調整とは一体何なのでしょうか?
年末調整はベテラン会社員ならおなじみのものですが、新社会人やアルバイトなどの人にはあまり馴染みがないので、チンプンカンプンなのではないでしょうか?
※内容に少し違う人もいるのですが、ここでは一般的なサラリーマンを想定してご説明します。
年末調整って?
年末調整とは、『払い過ぎた所得税を返してもらう手続き』のことで、会社が手続きを行います。
簡単に言うとこの一言で済んでしまいます。
毎月あなたがお給料から引かれている所得税は、実は概算で計算されています。
つまり、きっちりかっちり計算された金額ではありません。
なので、年間の収入(1月~12月)の合計額からきっちりかっちり計算した、本来支払うべき所得税の額と誤差が出てきます。
この誤差を清算することを『年末調整』といいます。
そしてこの誤差の金額が、払い過ぎであれば還付し、足りなければ徴収されることになります。
年末調整の対象者
まず、年末調整というのは、会社が行う手続きなので会社で働いている人が対象となります。そして、年末調整の根本は「お給料」にあります。
つまり、『会社で働いていて給与をもらっている人』が前提です。
”前提”という言葉を使っているのは、給与をもらっている全ての人が対象というわけではないからです。
ちなみに、年末調整に正社員や契約社員、アルバイトなど雇用形態に関係ありません。
この辺りは、お給料の額や会社によりけりにもなってきます。
国税庁では年末調整の対象者を次のように定義しています。
②年の途中で再就職し年末まで勤務している
③死亡により退職した人
④心身の障害により、年の途中で退職したがその年中に復職が見込めない人
(この場合は退職時に年末調整が行われます)
⑤12月中に給与の支払いを受け、その後退職した人
(退職したときに、年末調整が行われます)
⑥パートで働いている人が退職し、本年中に給与の総額が103万円以下の人
(退職後、次の勤務先から給与を受け取れる場合を除きます)
⑦海外の支社などへ転勤になり、非居住者となった人
(非居住者=国内に住所がなく、1年以上の居所がない人)
補足としては、副業などで2つ以上から給与をもらっている場合は、メインとなる勤務先での収入のみその会社で年末調整を受けます。
そして、もう一つの収入については必ず本人が確定申告する必要があります。
ただし、会社から給与をもらっていても年末調整を受けられない人もいます。
年末調整の手続き
原則、年末調整での精算手続きは会社が行います。
ただし、その手続きのための資料となる「申告書」を書いてもらう必要があります。
なので、会社から「この書類に必要事項を記入して、期限までに提出してね」といったことを言われます。
担当者は、その申告書に基づいて計算し精算しますので、ちゃんと正確に記入し期日までに提出しましょう。
この提出された書類を基に過不足が清算され、結果的に12月最後の給与または賞与で還付or徴収されます。
給与なのか賞与なのかは会社の方針や支払日などによりますので、さまざまです。
提出しないとどうなる?
年末調整の特性上、基本的には損します。
ただ、それだけです。
提出してもらう書類の内容は、基本情報の他、扶養家族のことで控除に関係してきます。
要はあなたにとって得するような情報を書きます。
つまり、本来受けられるはずの控除が受けられないので、実際に支払うべき所得税より多く支払ったままになっている状態になります。
さらに、場合によってはこの申告書が提出されなければ年末調整をしなくてよいことになっているので、自分で確定申告をし、清算・申告することにもなります。
年末調整後は
年末調整が終わったあとは、「源泉徴収票」というものが会社からもらえます。
※画像をクリックすると、大きく表示されます
この源泉徴収票に、あなたの1年間の年収や、きっちりとした所得税の金額などが記載されています。
2016年(平成28年分)からマイナンバーの記載が義務付けられましたので、用紙が通常の倍の大きさになっています。
しかし防犯上のため、会社からもらえる源泉徴収票にはマイナンバーは記載されず、すべて斜線になっています。
この源泉徴収票は翌年1月31日までに本人に交付しなければいけないことになっています。
会社によってまちまちですが、1月の給与支払日などでもらえることが多いと思います。
ちなみに、私の会社では少し早く12月の給与時で渡すので、結構忙しいです。。
確定申告との違い
さて、年末調整と確定申告との違いは何なのでしょうか?
内容として「払い過ぎた所得税を返してもらう手続き」と言うのは変わりません。
詳しくは、また別記事にしますが、簡単なところで言うと、所得の違いにあります。
前述したように、年末調整は会社から給与をもらっている人が対象なので『給与所得』がある人が対象です。
一方、確定申告では給与所得以外にも所得がある人が対象になります。
つまりは、対象者が異なります。
他にもさまざまな要因がありますが、
- 個人事業主、自営業(事業所得など)
- 複数のバイトを掛け持ちしている人(給与所得だが複数)
- 年収2,000万円以上の人(所得が多い)
- 給与以外の収入が20万円以上ある人(給与以外に別の所得がある)
などが確定申告をする代表的な対象者です。
さらに「所得税の清算」という意味では3つの方法を取ります。
- 年末調整
- 確定申告
- 年末調整+確定申告
日本に住む所得のあるすべての人は、このどれかに当てはまります。
当たり前ですが、逆に言うと無収入の人は所得税を支払ってないので「所得税の清算」をする必要はありません。
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