あなたは、求人広告などで「月給20万円」とか、ハローワークの求人票で「基本給17万円」とか書かれているのを見たことがあると思います。
さて、この違いは一体なんなのでしょうか?
「一緒でしょ」とあまり気にならない人も多いと思うますが、実はその考えはアブナイ可能性があります。
では、よく間違われる「月給」と「基本給」の違いについてまとめていきます。
基本給って何?
基本給とは、”すべての基準となる額”です。
本給や本俸ということもあります。
残業手当や通勤手当といったいろんな手当やインセンティブのような業績に応じて支払われる給料を除いた、基本賃金のことです。
一般的には、年齢や勤務年数、人事評価や技能などを基準に決められています。
残業代や賞与の算定も基にもなる金額です。
年に1回の昇給は、この基本給が上がることを意味します。
日給や、週給、月給などの基本的な賃金はすべて「基本給」と呼びます。
月給って何?
月ごとに決められて支払われる賃金です。
簡単にいえば、基本給に毎月固定で支払われる手当(役職手当や資格手当など)を加えたものが「月給」です。
もし、月給20万円という求人情報で、入社したら中身は”基本給18万円+資格手当2万円”だった!ということになります。
少しややこしいですが、状況によって変動する残業手当や通勤手当などは含まれないので覚えておくといいかも知れません。
▼詳しくはこちらを参考に。
月給と基本給の違いから分かること
いきなりですが、あなたは下の2つの違いがわかりますか?
1.基本給18万
2.基本給12万+手当6万
両方とも、足せば給料18万円で、同じですね。
つまり、1が「基本給18万円」で、2が「月給18万円」ということです。
急に、会社から給与体系の変更で1から2に変更させられることもあるかも知れません。
あとは、求人情報でたまに基本給が極端に少なくて、手当で補てんしている募集も見かけますね。その時、疑問に思った方もいるでしょう。
そもそも、なぜ分ける必要があるのか?
ちょっと、いろいろな角度から見ていきましょう。
給与に関することで手当にからんでくるのは、大きく「残業代」と「賞与」「退職金」関係になると思います。
まず、残業代の計算には基本給と手当を含むことが決められています。
ただ、すべての手当ではなく住宅手当や通勤手当など生活に関することは含めず、技能手当など仕事にかかわるものは含めます。
上記の手当がもし、住宅手当なら加算してもらえず、技能手当などなら加算されるので何も変わりません。
次に、賞与ですが、おそらくこれが一番の理由かと思います。
賞与は基本的に、基本給を基に計算されます。
なので、手当は加算されず、基本給の多い1.の18万円の方が年収が多いということになります。
例えば、賞与が年間で3か月ある会社では、
1.基本給18万円の場合
18万円×(12+3)か月=270万円
2.基本給12万円+手当6万円の場合
(12万円+6万円)×12か月+12万円×3か月=252万円
差額は18万円となり、会社は年間18万円経費削減でき、あなたは年間18万円も損しているんです。
退職金も賞与と同じように、基本給のみで計算されます。
ただ、これは会社の規程により変わってきますので、一概に言えません。
賞与や退職金の計算で基本給を使わない(手当も含める)会社であれば、特に不利益はありません。
このように、会社が急に給料の内訳を変えたり、求人募集であえて手当で分けているのには必ず理由があります。
自分からわざわざ損する会社に飛び込まないように、事前に知っておくことが大切です。
給与欄をしっかり確認する
仕事を探しているときの求人募集や入社のときの労働契約書には、必ず給料の項目があるはずです。
そこを、面倒くさがらずしっかりチェックすることで、大体は回避できることが多いです。
基本給20万円と月給20万円は手当が含んでいるかいないかで、かなり年収で金額が変わってきます。
入社してから、自分は手当てが出ると思ってたけど、実は手当込みの月給だった!
なんて事もあるかも知れません。
会社が月給と言っていれば何を言おうが変わりません。
そういったトラブルにならないように、会社は労働契約書に署名・捺印させます。それであなたは了承したことになります。
一度入社してしまえば、自分の勘違いで損することもありえますので、入社後のミスマッチを防ぐためにも、必ず募集の際や入社前の雇用契約書などでしっかり確認することが大事です。
【おまけ】初任給ってなに?
学校を卒業して就職して最初にもらえるお給料のことです。新社会人に対してだけ使われる言葉ですね。世間でよく使われるもので初めてその会社に入ったらいくらくらいもらえるかという基準にもなりますね。
初任給は、基本給や月給と違い、通常は残業代や通勤手当などいろんな手当をがすべて含まれた総支給額のことを言います。
まとめ
このように、求人情報を見ただけでは内部のカラクリが分かりません。
会社を選ぶときに、「まぁ同じ金額だからどちらでもいっか、受かった方に就職しよう」なんて安易な考えでいたら、後で「思ってたより給料が安い!」と嘆くことになるかも知れません。
それでも入社したい!という会社であれば別ですけどね。
事前に知ってて入社するのと、後で言われて知るのとでは全然違います。
お給料に関しては、今後あなたの収入の基盤になります。少し考えてみるのもいいかも知れません。
自分が不利益にならないためには、自分が知識を得て行動するしかありません。
何か、疑問や不安な点があれば、会社の同僚や先輩、担当者に問い合わせてみることをオススメします。
コメント