産休で会社を休んだときにもらえるお金とは?|出産手当金について

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こどもを妊娠したら、出産のために会社を休まなくてはなりませんよね。まぁ、いわゆる産休ってやつですね。そうなると、もちろんこどものこともそうですが、産休中の生活費などお金のことも心配になってきます。

今回は、産休中にもらえるお金として、「出産手当金」のお話しです。
日本の公的医療保険の保障制度の中には、こういった産休中にもお金がもらえるというものがあります。

聞いたことあるけど詳しくは知らないという人も多いと思います。
なので、今回は出産手当金について、「どういったものなのか」「対象は?」「いくらもらえるのか」など制度の内容や、申請の方法を分かりやすく解説していきます。

※出産手当金とは違い、出産費用を援助してもらえる制度はこちら

子どもが生まれたときにもらえるお金とは?|出産育児一時金について
妊娠して、子どもを産むときの出産費用。一体どれくらいかかるのでしょうか? あなたは知っていますか?二人目ならご存知の方も多いでしょ...
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出産手当金とは?

そもそも、出産手当金とはなんでしょうか。概要的なものになりますが、産休に入ると会社を休みますよね。でも実態的には、産休中はお給料が出ない会社がほとんどだと思います。

「ただでさえ、いろいろなことにお金がかかる時期のに、そんな時に収入がないなんてどうやって生活していけばいいのよ?」と思いますよね。

そんな時の公的医療保険です。簡単に言えば、出産手当金とは、「産休期間中に会社を休んだときに、生活費としてもらえるお金」です。

※似たような名前で、出産育児一時金というものがありますが、これとはまた別でもらえるお金です。混同しないように、しっかり理解しておきましょう。

制度の目的としては、
出産手当金→産休中の生活費の援助
出産育児一時金→出産費用の経済的負担の軽減

といった違いがあります。

対象となる人は?

どうせ、正社員だけの話でしょ?と思うかも知れません。ご心配なく、そんなことはありません。

正社員はもちろんですが、契約社員や派遣社員、アルバイトやパートなど雇用形態に関係なく支給対象になります。

ただし、その誰もがもらえるわけではありません。

<支給対象となる人の条件>

  1. 会社の社会保険に加入していること
  2. 産休中にお給料が出ていないこと
  3. 在職中であること

といった基本的な条件があります。これをクリアしていれば出産手当金の支給対象者となります。

ただ、”基本的”といったのには理由があります。そこもふまえて少し詳しくみていきましょう。

支給となる3つの条件

基本的には、前述した3つの条件をクリアする必要があります。

1.会社の社会保険に加入していること

ここで重要な点が2つあります。

まず1つは、前述で正社員でもパートでも誰でも対象になると言いましたが、会社の社会保険に加入していることが必須条件となります。

代表的なものは、以下のとおりです。

  • 協会けんぽ
  • 健康保険組合
  • 共済組合

逆に国民健康保険の人は対象外”になりますので注意してください。ただ、国民健康保険組合は一部ない場合もありますので確認することをおすすめします。

2つ目は、対象者が本人であることです。出産育児一時金などは扶養に入れている家族も対象になりましたが、出産手当金は被保険者である本人のみが対象となります。

2.お給料が出ないこと

この出産手当金の趣旨は、産休中の生活費の保障ですので、「お給料が出てたらそれで生活できるでしょ」となります。ただ、実態的には産休中は無給(お給料がでない)の会社が多いと思いますので、それほど気にしなくてもいいかも知れません。

もし、お給料が少しでもでていたら?

じゃあ、お給料が1円でも出ていたら出産手当金がもらえないの?と気になる人もいるかも知れませんね。

実際は、お給料が出ていても出産手当金はもらえます。ただ、出産手当金の額が調整されるだけです。

詳しくは後で具体的に説明しますが、本来もらえる出産手当金の額よりお給料が少ない場合は、その差額分が出産手当金としてもらえます。

3.在職中であること

簡単に言うと、働くママのための制度なので、妊娠により会社を退職してしまったら支給されません。

以前までは、退職後6か月以内であれば対象でしたが、現在は対象外です。また、退職後に任意継続していても対象にはなりません。

なので、産休中でも職員として在籍しており、後に復帰してまた働きますよという人が対象になります。

出産手当金の支給期間は?

出産手当金の支給となる期間は、産前と産後の範囲の期間に会社を休んだ日数です。

この産前と産後の期間は、労働基準法という法律で決められており、

産前は出産日から前42日
※出産日は産前に含まれます。
※多肢の場合は98日
産後は出産日の翌日から56日

の合計98日間になります。よく、産前6週、産後8週といわれるやつですね。これを総称してよく「産休」と呼ばれます。

基本的に産休で会社を休んだら、産前の出産手当金の42日、産後の出産手当金の56日で合計98日間が支給の対象となり、産前と産後の2つの期間で申請できます。

実際は産休期間=支給期間ではない?

ポイントは、産休の全期間に支給されるのではなく、あくまでこの期間中に会社を休んだ日になります。

人によっては、業務の都合上、出産日のぎりぎりまで頑張って働く人もいるかも知れませんね。

産前・産後のいずれの場合も、休業中に勤務した場合は、実際に勤務した日は会社からのお給料をもらい、それ以外の休んだ日は出産手当金の支給の対象となります。

勤務や休業などのことは、まず法律が絶対ですが、その次は会社の就業規則に従うことになりますので、会社によって違いが出てきます。なので、詳しくは会社の担当者に確認してみるといいでしょう。

出産日と予定日が違う場合は?

出産日が予定日より遅れたりして、出産日と予定日が狂う場合もありますよね。では、そんなときは出産手当金の支給期間はどうなるのでしょうか。

繰り返しますが、産前の出産手当金は出産日以前42日、産後の出産手当金は出産日後56日間が支給されます。

ポイントは、”基準となる日”が違うということです。

  • 出産手当金は、出産日をベースに考える
  • 産休は、予定日をベールに考える

ここからは、一般的な協会けんぽを加入している人で、産休をフル(98日)で取った場合で説明します。

出産が予定日より早まると損をする?!

分かりやすく、図で説明します。

出産手当金1

出産日が予定日より早まった場合、図のように早まった日数分、産前42日間が前にずれることになります。
例えば、産前休業をちょうど出産予定日以前42日前から開始した場合、基本的にはそれより以前の日は勤務している日になります。なので、予定日が早まった日数分の出産手当金は支給されなくなります。

つまり、出産日が予定日より5日早まると出産手当金は、

42日(産前)ー5日(早まった日数)+56日(産後)=93日

となり損をした感じになります。

出産が予定日より遅れる場合は得をする?!

では、逆に予定日より遅れた場合はどうなるのか、みていきましょう。これも分かりやすく、図で説明します。

出産手当金2

出産日が予定日より遅れた場合は、図のように空白の期間が生じます。この期間は、出産手当金の支給対象となります。

そして、産後は実際の出産日の翌日から56日となりますので、実質的には出産手当金の支給期間が増えることになります。

例えば、予定日より5日遅れた場合の出産手当金の支給期間は、

42日(産前)+5日(遅れた日数)+56日(産後)=103日

となり得をした感じになります。ちなみに、この遅れた日数は産前に含まれます。

支給される金額は?

出産手当金でもらえる金額は1日あたりの金額(日額)で計算され、

標準報酬日額×2/3×休んだ日数分 

の金額が支給されます。

実は、これは「傷病手当金」とまったく同じ計算方法で使われています。
詳しくは、以前書いた傷病手当金の記事を参考にしてみてください。

【必見】病気やケガで仕事に行けないときにするべきこと|傷病手当金について
あなたが病気やケガで仕事を休むことになったら、収入がなくなり生活費が心配になりますよね。 今まで一定の収入があったものが、仕事...

例えば月給が約26万円の人は、

日額=26万円÷30日=8,670円

出産手当金=8,670円×2/3×98日(産休期間)=566,440円

という金額になります。この場合、1日当たりの出産手当金は5,780円(8,670円×2/3)になります。

月給が26万円の人は約57万円と、とても高額な手当がもらえることになりますね。これは働いていないのにもらえるので、家計には大変助かりますね。

産休中に一部お給料が出ていたら?

さて、前述している通り、お給料が出ていた場合は、出産手当金の金額は調整されることになります。特段、難しい話ではありませんので、覚えておくといいと思います。

この調整は、支給される1日分のお給料の額と1日あたりの出産手当金の額を比較します。

▼お給料が出産手当金より少ない場合
差額分の金額が支給されます。
前述の例でいうと、もし会社から5,000円支給されていたら、差額の780円が支給されます。

▼お給料が出産手当金より多い場合
出産手当金は支給されません。
これによって、出産日が早まると出産手当金がその分でなくなるという訳です。

申請から受給までの手順

出産手当金を申請する方法から受給されるまでの流れをみていきましょう。
出産手当金は、「本人」「医師」「事業主」の3者が証明し記載することになりますので、時間がかかります。

出来るだけスムーズにいくように、しっかり確認しておきましょう。記入漏れがあると、申請が遅くなるのでそれだけ受給が遅れますので、記入漏れがないように注意しましょう。

ここでは、一般的な協会けんぽを例にご紹介します。

【手順1】事前に会社と確認しておく

出産手当金を申請するには、産前分と産後分など複数回に分けても、まとめて1回でも申請できます。

複数回に分ける場合は、事業主の証明が必要になります。医師の証明は1回目が産後の申請で、出産日等が確認できれば2回目は省略できます。

本人の意思と会社の都合にもよりますが、手間を省くため1回でまとめて申請するのが一般的ですかね。

このあたりを事前に会社と確認しておくといいでしょう。

【手順2】申請書を用意する

申請には「出産手当金支給申請書」が必要になります。

基本的に、申請は勤務先を通じて手続きしてくれます。なので、会社の担当者の人に申請書をもらうか、自分で用意しましょう。

自分で用意する場合は協会けんぽのホームページでダウンロードするか、協会けんぽの窓口でもらうことができます。

⇒協会けんぽのホームページはこちらから
⇒出産手当金支給申請書はこちらから
⇒申請書の記入の手引きはこちらから(書き方がわからない場合)

申請書は3枚ありますが、内容はシンプルなのでさほど難しくありません。自分で記入するところは1枚目と2枚目の一部です。

2枚目の後半は医師の証明、3枚目は事業主の証明の欄があります。

項目としては、下記のものになります。

  • 氏名住所などの基本事項
  • 振込先口座
  • 産休の期間など

産前と産後の日にちを出すのが少しやっかいですが、間違えないように記載しましょう。
不安な人は会社の担当者の方にもきちんと確認してもらいましょう。

【手順3】医師の証明をもらう

自分の記載欄がある程度できたら、次は病院側の医師の証明をもらいます。

出産後の入院中にもらうのがベストですね。(実際の出産日が未定だと後に手間がかかります)

【手順4】勤務先に証明をもらう

次は、事業主の証明をもらうために、勤務先に持参または郵送をしましょう。書類を郵送してもいいかも手順1で確認しておくといいでしょう。

※記入漏れがないか確認して郵送しよう
印鑑銀行の振込先に記入漏れがあれば、返送してまた記載する…といった手間がかかりますので必ず確認しましょう。

事業主には「休業期間」や「給料の有無や金額」などを証明してもらいます。

【手順5】申請書を提出する

手順4ですべて記入されていれば、会社によってはそのまま提出までしてくれるところもありますので確認しておくといいでしょう。

自分で提出する場合は、健康保険証に記載されている協会けんぽの支部に郵送します。
各支部の住所や郵便番号は、前述の協会けんぽのホームページを参照してください。

【手順6】支給されるまで待つ

申請書を提出し、手続きを終えたらあとはひたすら待ちます。

記入漏れなどがなくても2週間~3週間、通常は3週間~2か月後に出産手当金が振り込まれます。

支給日は遅い!?

出産手当金という名前からすぐにもらえそうなイメージですが、

とにかく、支給までが遅い

とよく聞きます。

通常、産休後に手続きを始めますが、3者に渡るため、郵送やらなんやらで申請書の記入だけでも数週間はかかります。
※事業主の証明が休業の証明があるので、実際に期間が過ぎないと証明できません

さらに、申請してから2週間~2か月ほどかかりますので、支給されるのは出産してからだと約4か月ほどかかると思っておいた方がいいと思います。

同時期に別の人のものがあったりなど、まとめて提出しようとして、意外と「会社で書類がとまっていた」なんてこともあります。
あまりに遅ければ、会社の担当者に問い合わせてみてください。

これが、結構のちのちの家計に響いてくると思いますので、不安なら確認しましょう。

あきらめないで!退職しても支給される場合がある

前述で在職していることが条件でしたが、出産前や出産後に退職していてももらえる場合があります。

協会けんぽではその条件は2つあり、

  1. 被保険者期間が1年以上あること
  2. 退職時に出産手当金を受給している、または受給できる状態である

の条件を満たしている場合は、退職しても出産手当金は受給できます。

1つ目は退職日以前に社会保険の加入期間が1年以上あること。

2つ目は退職時に出産手当金の支給されているか、支給される条件を満たしている状態であること。この状態とは、産前休業中に退職して(加入期間中である)、かつ、退職時は出勤していない状態であることです。

逆に言えば、産前休業中に有給休暇を使用してそのまま退職する場合は、条件を満たしていると言えます。(有給休暇は在職扱い)

まとめ

いかかがでしたでしょうか。以上で、制度の内容から申請手続き、受給などをご紹介しました。

例にもあったように、出産手当金はもらえる期間が長いので、全額ですとかなりな高額になります。
支給が遅いのが難点ですが、出産手当金があるのと、ないのでは大きく違ってくると思います。条件や手順がややこしいですが、得するためには面倒がらずにしっかりキチンと行うことが大切です。

安心して、身体を休め、職場に復帰するためにもお金の心配に関しては、少しは緩和できると思います。

これは、社会保険に加入している人の特権でもあるので、出産の予定のある方はぜひ活用してください。

健康保険で受けられる給付や制度の内容まとめ

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