毎月お給料から引かれている社会保険料。高いですよね、計算間違ってるんじゃないの?と思うかも知れませんよね…
これが税金だったらあきらめもつくかも知れませんが、将来もらえるかもわからない年金だとかに高い保険料は払うのはいやですよね。
まぁ、働き方によって社会保険に入らなければ保険料は払わなくて済みますが、正社員やフルタイム勤務のアルバイトなどはそうもいかないですよね。
「社会保険って何?」って方はこちらをどうぞ
http://jimublog.com/insurance-type/
社会保険料ってどうやって決められているか知っていますか?
実際は、担当者でもない限り、知ってる人は少ないのではないでしょうか?
この社会保険料とはどうなっているのか、出来るだけ簡単にわかりやすく説明していきます。
長いので記事を分けました。この記事をもう見たよって方は(その2)をご覧ください。
http://jimublog.com/premium2/
社会保険料のしくみ
社会保険料はどんな種類があって、いくらかかるのでしょうか?
社会保険料のしくみについて見ていきましょう。
社会保険料の種類
種類としては、単純に加入している「社会保険」の種類と同じです。
基本的には、
- 健康保険料
- 介護保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
の4つが基本となります。
ちなみに、介護保険は健康保険の一部なので、健康保険を「健康保険+介護保険」とまとめて指すことも多いです。
この他にも、「厚生年金基金」があったりと、会社が加入している種類によって様々です。
自分の会社が何に加入しているかは、給与明細を見ればわかりますので、一度確認してみるといいでしょう。
保険料は会社とほぼ折半している
実は、社会保険料は半分が会社が払ってくれて、残りの半分をお給料から引いているんです。
つまり、本来の保険料は”2倍”の保険料なのです。簡単にいうと、割り勘していたんですね。
そして、”ほぼ”と言っているのは、実は1つだけ折半ではない保険料があるからなんです。
基本的にお給料から引かれる保険料は、「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の4種類あります。
このうち、「雇用保険料」は会社が少し多く払ってくれています。
わかりやすく負担の割合を表にまとめると、
(H28年4月現在)
本人:会社 | |
健康保険料 | 1:1(折半) |
介護保険料 | 1:1(折半) |
厚生年金保険料 | 1:1(折半) |
雇用保険料 | 1:1.75(4:7) |
という感じになってます。
さて、次は社会保険料がいつから引かれることになるのか見ていきましょう。
社会保険料は翌月徴収される
社会保険料は加入した月から保険料がかかってきます。
基本的に1日から月末までの1か月分をまとめて給与から控除します。
会社の給与の支払い方によって、違いはありますが、社会保険料は翌月徴収が基本になっています。
別に法的に当月徴収でも構わないですが、だいたいの会社は翌月徴収が一般的ですね。
なので、4月分の社会保険料は5月から引かれることになります。
社会保険料の算出の方法
次に、社会保険料がどのように計算されているか見ていきましょう。
新入社員と社長クラスが同じ社会保険料だとどうでしょうか。
あまりに不公平だと思いますよね?
なので、社会保険料の金額は給与の額に大きく関わってきます。
誰もが一律で同じ保険料を払っているのではなく、給与の多い人は保険料も多くなり、少ない人は負担が少なくなる仕組みになっています。
次に計算方法ですが、これは税金のときとよく似ています。
例えば、”100円のパンを買うと、8%の消費税がかかってお会計は108円払う”ことになります。
この時の消費税を式にすると、「100円(パン)×8%(税率)=8円(消費税)」になりますよね。
社会保険料もこれと同じです。この”パン”が「給与」で、”税率”が「保険料」に変わっただけです。
式にすると、
で計算されます。
ここで、「報酬」という言葉が出てきましたが、社会保険の世界でよく使われますが、大まかにいうと給与のことです。
この報酬の部分は、後にいろいろ登場しますので覚えておくといいと思います。
ちなみに、専門用語でいうと「標準報酬月額」と、かっこいい名前が付いていて社会保険の世界では重要な用語になります。
標準報酬月額の決め方
前述の式を見ると、給与の額で保険料が計算されることが分かりました。
でも、この給与って同じ人でも月々変わってくる人もいますよね?
アルバイトは出勤日数で月々違うし、残業のあるなしでも違ってきます。
給与明細を見てみると、月々引かれている保険料のうち「健康保険料」と「介護保険料」「厚生年金保険料」の3種類は、基本的に変動せずに毎月同じ金額になっています。
これは、毎月給与が変動するたびに計算していたら処理が大変ですし、人数が多いと把握が大変ですから、「基準となる金額を決めて、とりあえずその金額でずっと計算していこう」という仕組みになっているからです。
これは、会社がそう決めているのではなく、国が決めていることなので日本全国どこでも一緒です。
そして、基準となる金額の決め方は「4月~6月に支給された給与の平均額」と決まっています。つまり、標準となる報酬の月額を決めるので「標準報酬月額」という名前が付いているわけです。
また、入社してからずっと同じ金額だと平等性がないので「1年に1回見直しが行われる」ことになっています。
しかし、新入社員や中途採用の人など社会保険に加入したばかりの人は、4月~6月の給与の平均額がわかりません。じゃあどうやって計算しているのか?
それは、会社がだいたいこんなものだろうと概算で計算して、よくげtうの給与から差し引く形になります。
そして、2年目からは毎年4月~6月の給与の平均額で計算されることになります。
ただし、昇給や降格などなんらかの理由で給与の額が大幅に増減した場合は、その都度見直されます。
この「標準報酬月額」はあくまで、「健康保険料(介護保険料含む)」と「厚生年金保険料」の算定に使います。
では「雇用保険料は?」というと、他の保険料と違い、基準となる金額を決めず、その月の給与の総額で毎月計算するため、月々でころころと金額が変わってきます。
報酬には残業代や通勤手当も含まれる
一般的に、社会保険料の算定に使われる「報酬」は、基本給(日給、週給、月給など)だけだと思っている人が多いようです。
しかし、実際はいろいろなものが含まれています。
じゃあ、会社から一時的にもらった「結婚祝金」や、病気になってもらった「病気見舞金」、出張してたら「出張費」などもある人もいると思いますが、それらも全部含まれるのでしょうか?
いろいろ疑問が出てきますね。
実は、ちゃんと含めるもの、含めないものは決められています。
わかりやすく図にすると、
他にもありますが、代表的なものはこれぐらいでしょうか。
手当などの名前は会社によって違う場合がありますので、その性質で判断してください。
これは個人的な違いの見解ですが、
■報酬に含めるもの
勤務の実績や状況など、会社で働いていることで発生するもの
■報酬に含めないもの
私生活の上での事象など、勤務と関係ないもの
ざっくり、こんな感じの分け方になってるのだと思います。
出張費とかは勤務に関係していますが、会社が負担すべきものであると考えられているなど、いろいろ細かい大人の事情があるようなので、あくまで参考程度に。
社会保険料の目安
これまでは、社会保険料のしくみとして概要的な説明をつらつらと書いてきました。
では、「じゃあ、実際いくらぐらい引かれるのよ!」と気になると思います。
月収により金額が変わってきますが目安として、
社会保険料 | |
月収20万円 | 3万円 |
月収30万円 | 4.5万円 |
月収40万円 | 6万円 |
月収50万円 | 7.5万円 |
という感じになってます。
社会保険料は、ざっくりと月収の15%くらいになります。(※月収は基本給ではなく、いろいろ含めた金額です)
ただ、その人の年齢や勤務地などで少し変わってきますので、あくまで目安で。
ちなみに、社会保険料の内訳ですが、例を用いて実際に計算してみると、
こんな感じです。
Aさんの場合、60,556円になりました。ちなみに、これは会社と折半したあとの金額で実際に給料から引かれる金額です。
けっこう高いですね。健康保険料と厚生年金保険料が大半を占めていますね。
そして合計は、目安の通り、だいたい月収の15%となっていますね。
このように社会保険料の目安がわかれば、昇給や転職した時、社会保険料がいくらくらいになるのか、ざっくり計算できますので覚えておくと便利です。
まとめ
この記事では、社会保険料のしくみや目安といった基礎的なものをご紹介しました。ざっとまとめると、
- 種類は4つ
- 翌月の給与から引かれる
- 保険料は「報酬×保険料率」で計算される
- 報酬の決め方は「4~6月の給与の平均額」
- 報酬には手当も含まれる
- 保険料の目安は月収の15%
といったところでしょうか。
次に、社会保険料の基礎からわかること、その実態などをもっと早く教えて欲しかったと思う、得することなどを含めてご紹介します。
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