履歴書とセットで提出するものとなっている『職務経歴書』ですが、履歴書とは違いフーマッットがないため、書き方に悩む人は多いのではないでしょうか。
しかし、職務経歴書にも基本フォームやポイントがありますので、そこを押さえて書くようにすれば意外と難しいものではありません。
ここでは、基本フォームについてと書き方、押さえておきたいポイントも含めてわかりやすく図解でご紹介します。
目次
職務経歴書の役割
職務経歴書の役割は、『職場でのあなたの姿』を伝えます。
履歴書だけでは伝えられない経歴を、詳しく相手がイメージしやすいように書く
相手のほしいものにマッチするよう自分のスキルや経験をアピールする
転職では職務経歴書のウエイトが大きく、実際のアピールはこちらで行います。
履歴書で書いた経歴を、実際の売上などの数字を示して、詳しく知ってもらいましょう。
また、相手が求めていることと自分のスキルや経験がどの点でマッチするか、ということに気をつけながら書いていくことが必要です。
職務経歴書の基本条件
職務経歴書の書式は基本的に自由です。自由がゆえに何をどう書いていいか分からない人も多いかも知れませんね。
まずは基本となる条件を確認しておきましょう。
<職務経歴書の様式>
市販のものは安直な形式なので使用は避けましょう。あくまで自分のオリジナルの職務経歴書を作成するのが基本です。
<職務経歴書のサイズ>
履歴書のサイズに合わせるのが普通ですが、A4縦サイズにパソコンで横書きで作成することをオススメします。
基本的にパソコンのwordで作成するのが最も楽です。プリンタ用紙に手書きでも問題ありません。
<職務経歴書の枚数>
A4サイズで1枚が基本です。職歴などが多い人は2枚までに。3枚~は採用担当者が煩雑さを感じ、読む気が起きなくなる可能性があります。
<文字の大きさ>
パソコンで作成する場合は、9~10.5ポイントで統一して書きましょう。
<職務経歴書の内容>
書き方は自由ですが、採用側に訴えるものにするためには、おのずと盛り込む内容は決まっています。
職務経歴書は大まかに4つの区分で構成します。
②経験関係の項目
③能力関係の項目
④アピール項目
※状況により「冒頭」の次に応募職種を書く場合もある
これらの項目を、読みやすい文章表現で、見やすいレイアウトで工夫して作成することが重要となります。
冒頭以外の項目の順序は、記載スタイルに合わせていきます。
<守っておきたい最低限のルール>
- A4サイズで1~2枚にまとめる
- スカスカ文書になっていない
- ぎっしり文書になっていない
- 文章を簡潔に1~2行以内でまとめる
- 誇大表現を使っていない
- 日付、氏名、タイトル、「以上」がキチンと書かれている
- 見出しを作る
- 行の頭がそろっている
- 文字の大きさが均一
- 募集内容にマッチした言葉を盛り込む
- 文章が長くなっていない
- 誤字、脱字、表記の不統一がない
- 社名、プロジェクト名を正式名称で書く
- 年号に間違いない、統一させる
他にも「履歴書の作成の最低限のマナー」の項目も守りましょう。
職務経歴書の作成のコツ
職務経歴書の作成にあたり、手順や記載内容など作成するためのコツをご紹介します。
前述の基本条件をまず押さえてから作成にあたりましょう。
作成の手順やポイント
ざっくりとした手順とポイントをご紹介します。
まず、職務経歴書を作成するには、あなたの「職務経歴・能力」の振り返りをします。
職務経歴書を書くということは、あなたの仕事の歴史を総ざらえすることです。
時系列に従って、いつ、どこで、どんな仕事をしてきたか、またその成果・結果はどうだったかなど細かいところまで思い出して紙に書きだしてみましょう。
step1で書きだした素材をもとに、応募先の会社が求める経験やスキルにマッチしそうなものを中心に抽出し、職務経歴書の項目に落とし込んで加工してみましょう。
箇条書きで簡潔に、キーワード化してイメージしやすく、具体的な仕事の経歴がコンパクトに仕上げます。
ビジネス文書として、読んでわかりやすい簡潔な文章にまとめましょう。主観的な部分はできるだけ、数字などを用いて客観的に表現することでより伝わりやすくなります。
欠かせない4大要素
職務経歴書に書き出す項目は、素材をもとにすると意外と多くの項目が出てきます。
その中でもこれだけは欠かせない必須項目というものがあります。
必要な項目 | 内容 |
---|---|
職務要約 | キャリアの概要。職歴全体のあらすじのようなもの |
職務経歴 | 基本的には時系列に、具体的に書きだす。 実際の仕事ぶりが相手に伝わるように工夫する。 |
活かせる経験・知識・能力 | 応募企業とあなたの接点を伝える項目 |
自己PR | 志望動機や意欲を盛り込む |
すべての仕事を5W1Hに分解する
何から書けばよいのかわからない人は、まずあなたが行ってきた仕事を、下記のように5W1Hで整理してみましょう。
・どこで(where)
・なぜ(why)
・何を(what)
・誰に(whom)
・どのように(how)してきたか
こうすることで、自分のキャリアを客観的に見ることができるはずです。
<5W1Hの例>
避けるべき表現
次のような表現はマイナスになるだけなので絶対に避けましょう。
- 批判
- 言い訳
- 評論
どんな職場であれ不満やストレスは付きものですが、それらの批判を文章にするとどうしても愚痴のように受け取られがちです。
採用しても同じことになりかねないと懸念されるだけなので、よい印象は持たれません。
言い訳によって自分を正当化しようとすることも避けましょう。
あと、自己PRでよくあるのが評論的な言い方にならないよう注意しましょう。
「現在、貴社を取り巻く環境は…」
「顧客ニーズを的確にピックアップし、それを顕在させていく…」
このような書き方は避けましょう。ビジネス文書に出てきそうですが、相手の方が数倍も知識を持ち、専門分野の情報に精通しています。
見やすいレイアウト
文章だけでなく、見やすいレイアウトにすることも重要です。体裁などパッと見て読みやすくなるように工夫しましょう。
1.表題や見出し以外の本文のフォントは統一する。
2.行間隔・文字間隔を詰めすぎないようにし、用紙の上下左右も十分に余白をとる。
特に左右の余白は採用担当者がファイリングするために必要です。
3.表題や見出しを強調してメリハリをつける
大文字、太文字、下線、1,2…などの番号を振ったり、■●の装飾を付けます。
< >や【 】などで囲むのも効果的です。
職務経歴書の書き方
前述した、4つの区分の書き方とポイントについてご紹介します。
冒頭の書き方
職務経歴書の冒頭部分は、基本的なルールを守って記載します。
1.タイトル
上段中央に「職務経歴書」とタイトルを入れる。ここは他と違い少しフォントを大きくします。
2.日付
履歴書と同じく提出日を記入します。
3.氏名
「氏名」と書いて名前を記入します。パソコンで作成の場合は、名前だけ手書きで書くという方法もあります。
<その他の項目>
・年齢
記載するときは(○歳)のように記入します。
・捺印
最近はあまり一般的ではなくなってきています。捺印する場合は氏名の右横にします。
・住所
好みです。別になくても支障ありません。
・電話番号
応募先企業から連絡しやすくなる可能性もあります。
経験関係の項目の書き方
経験関係の項目は職務経歴書の意味の重要な部分を担います。もっともベースとなる部分で具体的に簡潔にわかりやすく記載しましょう。
応募企業が複数の職種を募集している場合は、最初に「志望職種/希望職種」を記載します。
4.職務要約
ここは、職務経歴全体のあらすじのようなもので、100字~200字以内に簡潔にまとめます。ここで読み手を引き付けるような職歴のエッセンスを示します。
5.職務経歴
わかりやすく伝えるために、5W1Hを意識して書きます。
【必須項目】
・時期
和暦・西暦を統一して、正確に記入します。
・勤務先
(株)など省略せずに、正式名称で書きます。
・事業内容
従業員数を付け足す方法もあります。
・所属
「~支店」「~店」「~部」など
・役職
管理職の場合は部下数なども記入するといいです。
・雇用形態
正社員以外の場合に記入します。
・職務内容
仕事の具体的内容、処理方法、責任の範囲などを記入します。
顧客や取扱製品の種類、商品の数などを付け足しってもいいです。
<その他の項目>
・実績
抽象的な言葉でなく、できるだけ数値化して表現すると説得力が増します。
・受賞
社内の表彰や、社外コンクールなどで受賞した経験があれば記入します。
職務経歴では、長い文章は禁物です。なるべく箇条書きにすることを心がけます。
「○○を担当した」を「○○を担当」と体言止めにするのも効果的です。
能力関係の項目の書き方
あなたがどんな経験をして、どの程度の知識や能力を得てきたのか、また応募先の企業でそれをどう活かせるのかをアピールします。
6.経験・知識・能力
基本的には、箇条書きで記入します。ポイントは、応募した職種と密接に関連する項目を上から順番に並べることです。
・取得資格
・活かせる能力
・活かせる経験
<その他の項目>
・パソコンスキル
・語学力
・人脈
PCスキルをただ書くだけでなく、「頻雑な業務に優先順位をつけ、正確かつ迅速に処理する力」といった自分の能力や姿勢も、接点と考えて書くとよりグッドです。
その他のアピール項目の書き方
職歴や経験を総合したうえで、自分がその希望職種や求人ない様に適しているということをアピールする項目です。
7.自己PR
あなたの長所や強みを文章で記入していきます。
・仕事に対するあなたの思い
・未来への思い
・お願いの気持ち(思い)
などの3つの思いが素直に書かれていると好印象です。
<その他の項目>
・志望動機
履歴書で書き足りず、さらに「自己PR」と類似しない内容がある場合は記入します。
履歴書と同じにならないように、エピソードを交えてストーリー仕立てにするとより効果的です。
末尾の書き方
締めくくりである「末尾」の書き方です。冒頭と同じく基本的なルールにのっとり記載します。最後まで気を抜かずに書きましょう。
8.「以上」
これでもう終わりですという意味で右端に「以上」と書きます。
9.ページ番号
用紙の最下段中央にページ番号を付ける。「ページ番号/総ページ数」で記載すると全体で何枚あるかパッとわかります。
職務経歴の記載スタイル
職務経歴書には基本となるフォームのスタイルがあります。
①職歴を時系列に整理する方法
編年体式
職務経歴を古いものから並べて記載していく、もっともオーソドックスで一般的なスタイルです。
逆編年体式
職務経歴を新しいものから並べて記載していく方法です。
「編年体式」「逆編年体式」は職歴が時系列に追えるため、”いつからいつまで、何をしてきたか”がわかりやすく、業種を問わず用いられます。
有効なケース | オールマイティに使える |
---|---|
メリット | 職歴がわかりやすい |
デメリット | 強みをピックアップできない |
②職歴を職務内容の類型ごとに整理する方法
キャリア式
年代や勤務先、所属部署にかかわらず、あなたが携わってきた業務内容や分野ごとにまとめて書く方法です。
期間は重視せず、職務尿力に焦点をあてて記載するので、あなたの実務能力や専門的なスキルを採用側へ、ストレートに訴えることができます。
有効なケース | キャリアが豊富、転職回数が多い |
---|---|
メリット | 伝えたいキャリアを強調 |
デメリット | 経歴が伝えにくい |
③その他の職歴の整理方法
チャレンジ式
自己PRを前面に打ち出す方法です。その職種に以下説自分の経験・知識・能力を中心に述べていきます。
欧米風の直接的アプローチ型書式ともいえます。保守的な業界やお堅い企業には敬遠される危険性もありますので、あまりみないスタイルですね。
有効なケース | 異業種へのチャレンジ、未経験からの応募、外資系企業 |
---|---|
メリット | 意欲を論理的に伝えられる |
デメリット | 主張が鼻につく場合がある |
これら3つの記載スタイルから、あなたの経歴に適したものを選択し、工夫しながら加工していきましょう。
まとめ
以上が職務経歴書の書き方とポイントです。
ポイント点がかなりたくさんありますが、あなたの人生にかかわる重大な書類になりますのでしっかり確認しておきましょう。
これで応募書類の作成は完成ですね。
次は、あなたが頑張って作成した応募書類の提出方法です。ここでも守っておきたいマナーはあります。
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