目次
保険料控除申告書の内容
上の図のとおり、年末調整で控除できる保険料は、大きく分けて「5つ」に分類されます。
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 配偶者特別控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
この各種保険料について今年1年間で支払った保険料を記載していき控除額を求めていくのがこの申告書のお役目です。
「たくさんあって何やら難しそう…」
第一印象は誰もがこんな感じですが分かれば簡単ですので、初心者でもわかりやすくご説明していきますので、ちゃんと理解しながら記載していきましょう。
もし該当する保険料がなにもない人は、左上の「氏名・住所」を元気いっぱい記入し押印して提出すれば大丈夫です。
生命保険料控除の書き方
まずは『生命保険料控除』の書き方についてご紹介します。
基本的には保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」とにらめっこしながら記載していくことになります。
ここに記入するには、下記のものに限られます。
本年中に支払った保険料である
受取人が本人又は配偶者か親族のもの
※わかりやすいように、サンプルとして「アルソック」さんの生命保険料控除証明書を引用しています。
まず押さえておきたいポイントは2つ。
- 生命保険料の種類は3つ
- 新制度と旧制度により計算式が違う
ポイント1 3つの種類
上図のように3つの種類の保険料に分けられていることがわかります。
種類の判別は「生命保険料控除証明書」にちゃんと書いてあるはずなので、しっかり確認しましょう。
ポイント2 新・旧制度
生命保険料は契約締結日によって新制度か旧制度かに分かれます。
旧:平成23年12月31日以前の保険
この辺りは、保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」にも書かれていますのであまり迷うことはありませんね。
ややこしいのは、これら新・旧制度によって計算方法が違うことです。
こんがらがってしまわないよう、しっかり見ていきましょう。
一般の生命保険料の記入例
最後にコツをご説明しますので、まずは記載する前に一通り手順を見ておいてください。
※わかりやすく新制度が赤、旧制度を青としています。
1.生命保険の内容
基本的な下記の項目を記載します。
・保険会社名
・保険の種類
・保険期間
・契約者名
・受取人名
・続柄
ここは、生命保険料控除証明書の上部に記載されているものを参考にしてください。
ちゃんと一般用かどうか確認してください。
2.金額
生命保険料控除証明書には、「証明額」と「申告額」の2か所に金額が書いてあると思います。
よくある間違いですが、下の方の申告額の金額を記入します。
★証明額:ハガキを発行した時までに支払金額です。
★申告額(参考額など):このまま契約内容を変更せずに12月まで支払い続けた場合の支払金額です。※年末調整・確定申告ではこちらの金額を使用します。
さて、これで情報は揃いましたね。
続いて控除額を計算していきます。
控除額の記入例
さて、ここが一番やっかいでややこしいです。
計算方法は、保険料の新・旧の区分で違ってきます。
上記のサンプルを使って計算方法をご紹介します。
1.保険料額を新・旧に分けて合計する
まずは、新と旧に分けて合計額を記入します。
2.控除額の計算
●新保険料は計算式Ⅰを使用します。
例だと、新保険料の合計は50,000円なので、
50,000円×1/4+20,000円=32,500円
となります。
●旧保険料は計算式Ⅱを使用します。
例だと、旧保険料の合計は150,000円なので、
一律 50,000円
となります。
あとは、記載されている内容に従って書いていけばOKです。
このサンプルでは、一般の生命保険料の控除額は50,000円ということになりました。
残りの『介護医療保険料』『個人年金保険料』についても同様に記入し計算していけば大丈夫です。
ちなみに、介護医療保険料には新保険料しかありませんので計算式Ⅰのみ使用します。
最後に、3つの控除額の合計(ただし、最高12万円)を記入すれば『生命保険料控除』については完成です。
記入のコツ
計算式で見てもらえばわかるように、控除額には限度があります。
旧保険料上限:10万円
逆に言えば、それ以上はいくら申告しても控除額は増えません。
控除額の上限になったら内容の記載はストップして大丈夫です。
いや、ストップしてくださいどうかお願いします。
書く方も大変ですが、見る方も大変なのです。
コツとしては、旧保険料の金額が高い方から記載すると手間が省けます。
実は説明上記載しましたが、上のサンプル例では、2行目で10万円に達しているので3行目は要らないのです。
地震保険料の書き方
地震保険料控除は生命保険料控除より簡単です。
ここに記入するのは下記の要件を満たすものだけです。
常に住居として使用していること(生活の拠点となっている)
あなた自身が支払った保険料である
本年中に支払った保険料である
ポイントは「地震」と「旧長期損害保険料」の2種類あることです。
【地震保険料控除の記入例】
ここでは、項目が少ないので一気にご説明します。
●保険の内容
「保険会社名」や「種類」などを「地震保険料控除証明書」を確認しながら記載していきます。
※三井住友海上より引用
●控除額の計算
限度額に注意しながら控除額を記入します。
・通常の地震保険
支払額がそのまま控除額になります。
上記の例では、30,000円。
・旧長期の保険
1万円を超える場合は計算式に当てはめて計算します。
上記の例の場合は、『19,500÷2+5,000円=14,750円』になります。
それぞれを合計した「44,750円」を記入します。これが地震保険料控除額です。
配偶者特別控除の書き方
申告書は同じですが、保険料控除とちょっと違うのと少しややこしいので分けました。
一応完成図はこんな感じになります。↓
こちらの記事内に詳しい書き方もご紹介していますので参考にしてください。
社会保険料控除の書き方
ここで記入するのは、給与から天引きされている社会保険料以外の社会保険料を支払った場合の人です。
※給与天引きの社会保険料は会社の担当者が把握していますので、申告する必要はありません。
主には、下記のものが該当します。
- 国民健康保険料
- 国民年金保険料
- 介護保険料
- 国民年金基金の掛金
あなたの分だけでなく、家族の分であなたが支払ったものについても記載できます。
【社会保険料控除の記入例】
ここはいたってシンプルで、支払った金額をそのまま記入します。
つまり、支払った全額が控除額となります。
サンプルの金額は適当ですが、実際平成28年の国民年金保険料は約月1,6万円ですから年間19万円を超えます。なかなかの控除額になりますので該当する人はお忘れないように。
ここに記載できる社会保険料には本年中に支払ったもの以外でも申告できます。過去の分2,3年分をまとめてだとかなりの控除額になりますね。
小規模企業共済等掛金控除の書き方
ここに該当する人は少数かなと思います。無きにしも非ずなのでご紹介します。
ざっくり説明すると、個人事業主が加入できる共済制度の掛金や、確定拠出年金などです。
【記入例】
ここもいたってシンプルで、あなたが支払った金額をそのまま記入します。
こちらも、全額控除の対象となります。
この申告には、独立行政法人中小企業基盤整備機構や地方公共団体などから送られてくる証明書類の添付が必要になってきます。
なくさないように注意しましょう。
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